神経診断治療学部門は、神経難病の診断法の開発を重点目標として、平成21年4月に設立された研究室です。神経変性疾患をはじめとする神経難病には、これまで有効な治療法は存在しませんでしたが、近年になってようやく根本治療法の実現の兆しが出てきました。しかし、そうした疾患修飾薬であっても効果を発揮するためには、できるだけ早期に正確に診断する診断技術が必要です。わたしたちは、神経疾患のメカニズムの解明とそれに基づく疾患修飾薬の開発を目指すのと同時に、既存のアイデアにとらわれない方法で神経難病を早期に正確に診断できるバイオマーカーの開発研究に取り組んでいます。
研究室は、滋賀医科大学のキャンパスのほぼ中央に位置する建物の3階にあります。私は単純に「楽しさ」から研究の世界に身を投じてまいりました。その気持ちはずっと変わることなく、基礎研究でも応用研究でも、リサーチマインドを育みながら喜びを感じとれることこそ、研究の醍醐味だと思っています。小規模な研究室ゆえに、「予定調和的」ではないアプローチを大切にし、ブルーオーシャン的な研究から神経難病を克服するための努力をしていきたいと考えています。
教授石垣 診祐